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バキュームコンベアのフィルターの選定方法

この記事では、バキュームコンベアのフィルターについて詳述します。バキュームコンベアのフィルターがニーズに応じて登場した背景や、その機能に影響を与えるパラメータについて解説しています。

主要なフィルター

<p>フィルターは、バキュームコンベアの肺とも言えます。フィルターが粉塵を捕獲し、製造施設やオペレーターの肺を汚染から守ります。また、真空ポンプの故障を防ぐ役割も担います。さまざまなプロセスにおいて、変化を続ける厳格な安全規制、健康と安全に対する要求を満たすためには欠かせないパーツです。バキュームコンベアのフィルターの取り付けパターンはさまざまです。コンベア本体の内部に取り付けられるほか、より高い要求を満たすために、コンベア外部の空気供給口に取り付けられる場合もあります。&nbsp;</p> <p>バキュームコンベアは、密閉性の高い粉体搬送装置であり、粉体や顆粒を搬送するバケットコンベアやスクリューコンベアなどの機械式搬送と置き換えることができます。それでも、この数十年の間にお客様のニーズや要件は大きく変化しました。それらに応じて、フィルターの取り付け方法の簡易化、濾過性能および通気性能の向上、モジュール化などの進化を続けてきました。1991年に発売されたPiabのバキュームコンベアシリーズではフィルターが1本しか設置できない構成でしたが、現在は搬送量やコンベアサイズに応じて、最大7本(1本、3本、7本)のフィルターが取り付けられる設計になりました。</p> <p>また、エアショックによるフィルター清掃機構を内蔵したことで、コンベアの設置や清掃が容易になりました。製造中にフィルターを清掃する必要性が減ったことから、フィルターの寿命が延び、搬送能力の向上につながりました。現在の真空フィルターショックシステムは、Piabの各バキュームコンベアの上蓋に一体化した形で組み込まれています。搬送物の排出は、各搬送サイクルの終わりに行われ、排出と同時にエアショックが働いてフィルターが清掃されます。フィルターが複数ある場合は、各フィルターにエアショックが備えられるため、効率良く稼働します。&nbsp;</p>

搭載フィルターの位置

フィルターは、真空搬送システムのさまざまな場所に使用されています。主要なフィルターはコンベア本体(2)に装備され、コンベアが適切に稼働できるよう、ポンプへの粉塵侵入を防ぎます。粉体、顆粒、錠剤などの搬送物と一緒に運ばれる空気は、フィルターで濾過された後、コンベア外部に排出されます。フィルターは、フィルターショック(1)で清掃されます。 

フィルターショックによるクリーニング

フィルターショックシステムは、フィルターごとに1つのタンクで構成され、各真空搬送サイクルの終了時にフィルターにエアショックを発生させます。運転時、ポンプが真空を発生させて搬送物がコンベア内部に吸引されると、フィルターの外側に粉塵が捕集されます。エアショックは、フィルターの内側から外側に向かって激しい衝撃を与えます。これにより、フィルターに付着した粉塵が取り除かれます。

filter shock
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搭載フィルターの他の清掃方法

<p>ほとんどのPiabのフィルターは、フィルターショックによりドライ清掃が繰り返し行われます。その他、フィルターを取り外して、柔らかい毛のブラシで清掃をすることも可能です。その際は、表面を傷つけないよう優しくブラシがけをしてください。フィルターをウェット洗浄することも可能です。その場合は、フィルターをフィルターサポートに取り付けたまま、標準的な低圧水流ホース(最大1bar)を使用して水を噴射します。洗浄後は、開けた場所でフィルターを吊るして乾燥させます。ウェットインプレース式のコンベアが採用されている場合もあります。濾過面が広い大きなサイズのフィルターは、洗浄後の乾燥に時間がかかります。</p>

私たちは、ユーザーのニーズに応えて、さまざまなフィルターとバキュームコンベアの開発を続けてきました。私はPiabで29年働いていますが、研究開発費を惜しまない会社で働くことができて嬉しく思っています。自社製品の進化を見られることは、素晴らしいことです。コンベアの設置や操作方法はより簡単に、スマートになりました。モジュール設計により、容量を簡単に調節でき、さまざまな種類の搬送物や切替に対応が可能です。

– アプリケーション&カスタマイズ担当グローバルマネージャー Tomas Tiger

サイズ選択とメンテナンス

<p><strong>メンテナンスが容易なモジュール式</strong></p> <p>Piabの標準フィルター製品は、2000年から、最小0.5&micro;mの粒子の濾過が可能になりました。この開発によって、より幅広い種類の搬送物に対応できるようになり、厳しい規制にも準拠できるようになりました。</p> <p>モジュール化は、Piabの製品開発の基礎のひとつであり、これによって高い柔軟性が実現されます。フィルターはコンベア本体にネジ止めされているか、メタルプレートに圧着されているため、工具を使わずにすばやく分解し、組み立てることが可能で、メンテナンスが簡単です。とはいえ、フィルターの定期的な交換は避けられません。そのため、常にスペアパーツを在庫しておくことをお勧めします。スペアパーツの在庫がない場合でも、Piabでは通常、フィルターなどの一般的な部品を10日以内に発送します。(現地の諸条件が適用されます。お近くのPiab代理店またはパートナーにご相談ください。)</p> <p>フィルターの交換頻度は、業種や搬送材料、容量などの要素によって異なります。目安となる例として、製薬業界では機器の洗浄や滅菌を比較的頻繁に行うため、6か月ごとの交換が想定されます。セラミックを搬送する場合も、材料が摩耗性をもつため、同様に頻繁な交換が必要になります。この場合、短かめのフィルターを設置して、捕集される材料とフィルターの接触を最小限にする必要があります。それ以外の場合には、フィルターの寿命がずっと長くなることもありますが、フィルターの交換頻度は、搬送する材料、システムの容量、フィルターの種類、さらには環境要因によっても異なるため、あらゆるケースに適用できる完璧な推奨値は存在しません。平均して、年1回のフィルター交換を推奨しています。</p> <p><strong>フィルターを選ぶ際に考慮すべき点&nbsp;</strong></p> <p>用途に応じたフィルターの選定では、いくつかの要素が重要になります。</p> <p>まず、粒径です。微細な粉体では、搬送能力を確保するために大きな濾過面積が必要となるからです。また、遵守すべきルールがどの程度厳格かということも問題になります。</p> <p>吸湿性のある材料は多くの場合、粘着性があり、脂肪分が25%を超えます。湿度が高い場合は吸湿性も高くなります。これは、熱帯地方のように湿度が高い環境では、砂糖がベタベタすることを考えればわかるでしょう。目安として、手の中で握りしめ雪玉のように作ることができれば、運転中に材料のブリッジングが発生する、凝結性またはブリッジ性の高い搬送物と考えられるかもしれません。一般に、濾過面積が小さく滑らかなほど、フィルター表面に付着する可能性が低くなるため、ブリッジ性の高い搬送物を扱いやすくなります。</p> <p>一方、濾過面積が小さくなると、フィルター周辺の真空圧力が低下することがあり、搬送能力の低下につながります。真空圧力低下のデメリットは、フィルター素材の高い通気性と、エアショックパルスによる容易なクリーニング方法というメリットによって補われます。</p> <p>材料特性とは別に、フィルターの種類の選択はパイプによっても変わってきます。ポンプ容量とフィルターは、パイプの長さに合わせる必要があります。搬送距離(配管長)が長くなれば、同じ量の粉体を搬送するために容量のより大きいポンプが必要になります。より大きい容量が必要であれば、パイプ径も大きくする必要があります。また、パイプの曲げ部の数によっても左右されます。</p>

ULPAフィルター採用の2段目のフィルターユニット

危険物質を搬送する場合は、0.2µm程度の小さな粒子径にも対応できる、2段目のフィルターユニットでフィルターを構成することができます。ULPAフィルターを採用した2段目のフィルターユニットは、特に壊れやすい製品全般に適します。このフィルターは、コンベア本体とポンプの間に配置します。 

Piabの主要なフィルタータイプの概要

コンベア本体に搭載されているフィルターには、濾布フィルター、プリーテッドロッドフィルター、ステンレススチール製のプリーテッドフィルター、およびプリーテッドフィルターのいずれかが装着されます。Piabが採用しているフィルターは、生産ラインで働く人たちが安心して呼吸できるように、最大限の安全性と容量を同時に確保できるように設計されています。主要なフィルターの概要と比較表はこちらをご覧ください。

詳細な表を入手する

空気供給口フィルター

空気供給口フィルターは、フィードアダプターの調整可能な空気供給口を通って空気中の埃や粒子が搬送システムに混入することを防ぐため、システム全体で密閉性の高い材料搬送が実現します。同時に、たとえば流動化搬送を使用する場合などに、フィードアダプターの調整可能な空気供給口から搬送物が吹き出すことを防ぎます。Piabのフィードアダプターに空気供給口フィルターを追加すると、コンタミを防ぐことができます。これらの製品は、Piabのフィードアダプターの全タイプに対応しており、真空搬送の設置で通気口を使用する場合にもお勧めします。寿命を延ばすために、空気供給口フィルターにはウェザーカバーを採用しています。

空気供給口フィルターの配置

この用途においては、材料は容器(1)からフィードノズル(2)でふるい機(3)に運ばれ、ホース(6)を通ってVブレンダー(7)に運ばれ、さらに上部にバキュームコンベア(9)を持つサイロ(10)に送られます。(5)空気供給口フィルターは、(4)フィードアダプターの空気供給口に設置します。フィードアダプターに空気供給口フィルターを接続する場合は、専用の(8)レデューサーを適用する必要があります。空気供給口フィルターの各マニュアルには、お客様の設定に適したエレメントを選択するための相互参照表が掲載されています。また、すべての空気供給口フィルターの種類とサイズに対応した交換用エレメントもご用意しています。 

適切な空気供給口フィルターの選定

施設のコンプライアンスレベルを考慮してください。標準の空気供給口フィルター(炭素鋼)は、要求が低く、非導電性の材料を搬送する場合にお勧めします。帯電防止特性が必要な場合や、耐酸性や耐腐食性が必須である場合など、要求が厳しい場合には、帯電防止空気供給口フィルター(SUS316)をお勧めします。

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バキュームフィルターの使用方法

バキュームフィルター(2)は、施設内の衛生的な要求が低く、食品の要求や帯電防止を必要としない場合に使用することを推奨します。プラスチック製で軽量、フィルターのグレードは5~10µmです。

材料特性やプロセス設定により、追加のベントが必要な場合に使用できます。一例として、サイロ/ホッパー(4)などの機器に材料を空ける際に、コンベア本体(1)の下の接続モジュール(3)のベントを塞ぐことが挙げられます。この場合、ベントによって圧力が均一化されるため、スムーズに材料を移動させるために通気が必要になります。

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